飲みに誘ったくせに<br>喋らん奴

飲みに誘ったくせに
喋らん奴

気さくな先輩に飯に誘われた福徳がついていくと、店に着くや否や急に黙りこくる。この飯屋も2回目らしいし、全然話題盛り上がらないから、結婚とか年齢とか好きな食べ物とか聞くけど、ちょっとした返事ですぐ終わる。我慢できなくなった福徳がなんで飯誘ったのか本当の理由を聞く。そこらへんにおったやつと飯行って話しかけてほしいという後藤。ならもっと愛想良くしないと。すると急にスッと立ち上がって帰り始める。普通に朝までおる？とか家行っていいって聞いてくるのすごい神経してる。一度は引き止めるも、そのまま帰らせた。

『気まずい空気に耐えられなくて動画見るのやめてまいそう』

『「好きな食べ物とかは…？」の弾切れ感たまらん』

『さらっとオール飲み提案してるの草』

『なんでタメ口なん？と同じ感じのタイミングでなんで飯誘ったん？ってタメ口になってて笑ったw』

『誘った理由が「おったから。」は普通にかっこいいと思った。』

『ぬーって帰ろうとする感じがきしょすぎて面白かった』

『開始30秒で気まずいのに動画の残り時間みて笑ってもうた。』

『喋りかけて欲しいは草』

『最初腕掴まれた時反対側に振り向いちゃったから後藤の腕ぐりーんてなってるのすこ』

『｢美味しいんすか？この店｣
｢うん｣
｢よう来るんすか？｣
｢2回目｣
｢え？お酒とか、結構飲めるんすか？｣
｢あぁ。飲まれへん｣
｢なんか初めてっすよね？こうやって飯行くん｣
｢おん｣
｢あの～2人で｣
｢(うなずく)｣
｢え？なんで、今日誘ってくれたんすか？｣
｢え？まぁおったから｣
｢あっ僕がね。はいはい。｣
｢へぇ…え、休みとか何してるんすか？｣
｢…寝てる｣
｢出歩いたりしない？｣
｢うん｣
｢へぇ～好きな事とかは？例えば映画観たりしないんすか？｣
｢…うん｣
｢え、結婚してましたっけ｣
｢ううん｣
｢あっ独身すか？｣
｢うん｣
｢今、おいくつですか？｣
｢40｣
｢なんか前も聞いたかもしれないですね｣
｢…。｣
｢好きな食べ物とかは？｣
｢こんにゃく｣